インプラント治療のトラブル

インプラント治療をお受けになっている方で治療が終われば、もう終了。と思っていらっしゃる方はとても多いです。インプラントトラブルで来院される方の多くはこのようにお考えの方がとても多いことがわかってきました。インプラント治療がいったん終了すれば、それでもう大丈夫。自分で手入れをしていれば問題はないと思われてしまっていたことに問題があります。どの患者さんも最初の2年はメインテナンスに通われていたそうです。2年間大丈夫だったから、先生が大げさに言っているだけで、きっともう大丈夫に違いないと思われてしまっていたそうです。インプラントはご自分の歯と同じく死ぬまでメインテナンスをする必要があります。インプラントトラブルの8割は2年以内に起こっているのです。吉本歯科医院ではインプラント治療を行なった患者さんには終了後すぐは1ケ月ごとに経過を診させて頂いております。その後、半年、1年、2年目3年目と、レントゲンで骨の状態を確認しながら状態が安定するのを確認しています。特に症状が無くてもです。状態が悪くなっていたとしても、インプラントはご自身の歯のように痛いや凍みるなどのように自覚症状として警告を発してくれませんインプラントはただの「ネジ」だから、です。ただのネジなので痛くもかゆくもしみることもないのです。だから、怖いのです。周囲の歯ぐきや隣の歯にまで影響が及んではじめて患者さんは自覚症状として気づくことができます。インプラントは完成したら、終わりではありません。歯と同じく、あなたが死ぬまでそのインプラントを使い続けるまで定期的なプロによるメインテナンスが必要なのです。

インプラント周囲炎

インプラント治療を考えている人が治療を行う前、そして治療を行なった後にも常に頭に入れておいていただきたい大事なこととして、「インプラント周囲炎」というものがあります。インプラント周囲炎というのは、インプラントの周囲の組織が細菌感染によって破壊されてしまう病気で、天然歯で言うところの「歯周病」に相当するものです。つまり、歯周病のように「進行すれば抜け落ちてしまう」ことになる、インプラントにとって致命傷となるものです。インプラントを埋めた後、インプラント周囲炎に注意せずに何の対策も取らないでいると、おそらく高確率でインプラント周囲炎にかかってしまうことでしょう。今回はインプラント周囲炎について、一体どのような病気なのか、インプラント周囲炎はなぜ最近増えているのか、インプラント周囲炎にかからないようにするには一体どのようにすれば良いか、ということについてご紹介していきます。

インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎というのは、インプラント周囲の組織に歯周病細菌が感染することで起こる病気であり、インプラントをダメにしてしまう最たる原因となるものです。「インプラントは人工物なので、悪くならないだろう」と思い込んでいる人がいますが、それは間違いです。確かに虫歯になることはありませんが、インプラント周囲の組織は油断をすると病気になってしまうことがあるのです。

インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎

インプラント周囲炎は、天然歯の場合の歯肉炎に相当する「インプラント周囲粘膜炎」と、天然歯の場合の歯周炎に相当する「インプラント周囲炎」の2つの病態に分けることができます。いずれもお口の中の歯周病細菌によって引き起こされます。インプラント周囲粘膜炎の方は、炎症の範囲は歯茎だけに限られていますが、その状態で適切な治療を行わなければインプラント周囲炎に発展し、骨の破壊が始まり、インプラントそのものの存在を脅かしていきます。統計によれば、噛めるようになってから5年以上経過しているインプラントにおいて,インプラント周囲粘膜炎は約8割の患者でインプラントの50%に発症しており,インプラント周囲炎は約30%に発症していることがわかりました。これはとても高い数値であると言えます。

インプラント周囲炎が増えている!

近年、昔と比べてインプラントを行なっている歯科医院が増え、インプラント治療を受ける人も増えています。ですが、それに伴いインプラントのトラブルが増えています。その一番の原因になっているのがインプラント周囲炎です。このようなトラブルの背景には、未熟な技術でインプラントを行う歯科医師が増えてきたというのもありますが、「インプラントをただ埋める」だけで、インプラント周囲炎にならないためのケアや指導を十分に行なっていない歯科医師が多いのも大きな要因と考えられます。吉本歯科医院では、インプラント経験豊富な歯科医師がインプラント周囲炎を予防するために、常に歯周病ケアに重点を置いた治療を行なっていますので、安心して治療を受けていただけます。

インプラント周囲炎の原因

直接の原因はインプラント周囲の清掃不良

インプラント周囲炎の直接的な原因は、歯周病の原因と同様、インプラント周囲に溜まった歯垢です。歯垢1mgの中には10億個の細菌がいると言われており、その中に含まれる歯周病細菌がインプラント周囲炎を進める原因になります。

インプラント周囲炎を悪化させるリスクファクター

インプラント周囲炎を悪化させる他のリスクファクターとしては、喫煙、アルコールの過剰摂取、歯ぎしりなどの過剰な力、糖尿病、ドライマウス(口の中の乾燥)、ストレスや体調不良などが挙げられます。これらのリスクファクターも歯周病と同じものです。これら複数の原因が長期間にわたって複雑に絡み合い、悪影響を及ぼすようになると考えられています。

インプラントトラブルの周囲炎にかからないようにするための対策

1.口の中の清掃を念入りに行う

インプラント周囲に歯垢がたまらないよう、日々のお口の中の清掃を徹底して行う必要があります。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやタフトブラシのような補助清掃器具も使うとより効果がありますが、お口の中の状態は人それぞれ違いますので、自分にあった磨き方を歯科医院で教えてもらうようにしましょう。

2.歯科医院で定期的にメインテナンスを受ける

歯科医院に定期的に通い、普段磨ききれない汚れを落としてもらいましょう。また、噛み合わせのチェックもしてもらい、噛み合わせの問題があれば調整してもらいましょう。歯ぎしりがひどい人はマウスピースを作ってもらうこともできますので、相談してみるとよいでしょう。

3.生活習慣に気をつける

健康的な生活を送り、糖尿病予防を心がけたり、喫煙しない、飲酒しすぎない、ストレスや疲れを溜め込まない、ということも大事です。

4.信頼できる歯科医師を選ぶ

インプラント経験が豊富で治療技術が確かな歯科医師を選ぶことも大事です。また、インプラントを埋めるだけでなく、メインテナンスをしっかりとやってくれるかどうか、ということも重要ですので、その辺のこともよく確認しておきましょう。

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