骨が薄いからインプラントできないと言われたら|高松市の吉本歯科医院

インプラント治療において、顎の骨の量や厚みはインプラント治療ができるかどうかが決まるとても重要な役割を担っています。インプラント治療は、失った歯の代わりにインプラントを埋入することで失った歯を補う有効な治療方法です。インプラント治療とは失った歯の部分の歯茎を切開し、顎の骨に穴を開けてチタン製のインプラント体を埋入して、インプラント体に上部構造(アバットメントと人工歯)を取り付けるものです。その時にインプラント体を埋入するだけの十分な顎の骨の量や骨の厚さが必要となります。顎の骨の量や厚さが十分ではない場合、一般的な歯科医院ではインプラント治療はおこなうことが出来ません。顎の骨が痩せる、とはどういうことなのでしょうか?またどうして顎の骨は痩せてしまうのかお話させて頂きます。顎の骨が厚い・薄いというのはもともと個人差がありますが、その他にも骨が痩せる要因はいくつかあります。

骨が作られる仕組み

私たちの骨はずっと同じままではなく、常に新しい骨に作り変わっています。骨はカルシウムなどのミネラルとコラーゲンからできており骨の構造はよく鉄筋コンクリートの建物にたとえられます。コンクリート部分はカルシウムなどのミネラル、鉄筋がコラーゲンです。コンクリート(ミネラル)が減ってしまったり、鉄筋(コラーゲン)がもろくなると、建物が倒れやすくなります。古くなった骨に含まれるカルシウムやコラーゲンを分解し吸収する働きをする破骨細胞によって、古い骨が壊されることを骨吸収といいます。そして骨吸収された骨の表面にコラーゲンをつくり、その部分に血液から運ばれたカルシウムを付着させる働きを持つ骨芽細胞によって、新しい骨が作られることを骨形成といいます。この骨吸収と骨形成がバランスよくおこなわれることで、常に健康な骨が作られているのです。 骨が痩せてしまうというのは、この骨吸収と骨形成のバランスが崩れてしまっている状態のことをいいます。

顎の骨が痩せる(骨吸収)

歯と歯茎が健康な状態であれば、顎の骨には十分な量や厚さがあります。それは、食べ物を噛むという「咀嚼」により顎の骨を刺激し続けているからです。しかし、歯が抜けてしまうなどの歯を失ってしまうことにより、失った歯の部分からの刺激は顎の骨に伝わらなくなってしまいます。 元々人の体は、刺激を与えられなくなった部分は衰えていくという特徴を持っています。使わないものは衰えます。それは筋肉や骨も同様です。歯が抜けたまま放置していることで刺激を与えられなくなったその部分の顎の骨は衰えて、次第に痩せてしまうのです。これを骨吸収といいます。

骨が痩せるの3つの主な要因

抜けた歯をそのまま放置していた

私たちは、歯を使って「物を噛む」という行為によって顎全体を適度に刺激しています。しかし、歯が抜けてしまうとこれまであった刺激がなくなるため、顎の骨は徐々に痩せていきます。このように、骨が痩せていくことを「骨の吸収」と言います。突然の事故や怪我などで歯を失ってしまったり、虫歯や歯周病が悪化してしまったことで歯を失ってしまった際に、抜けてしまったまま放置してしまうと、その部分の顎の骨が骨吸収をはじめてしまいます。

合わない入れ歯を使い続けていた

入れ歯が合わないまま使っていると、歯茎に無理な圧力がかかってしまうため、歯茎に負荷がかかり過ぎてしまうため、顎の骨が痩せてしまいます。圧力による刺激が有り過ぎても顎の骨は痩せてしまいます。

歯周病の進行

歯周病が進行すると歯を支える歯槽骨が徐々に溶けていきます。さらに進行すると歯を支えられなくなることでグラグラ揺れはじめ、そのまま放置しておくと歯が抜け落ちてしまうこともあります。歯周病は、細菌の塊である歯垢(プラークが)、歯と歯茎の間の隙間(歯周ポケット)に侵入し、歯を支えている歯槽骨を破壊してしまうことによって、歯が脱落してしまうという病気です。また細菌だけでなく咬みあう破壊的な力により歯を支えている骨が痩せてしまうこともあります。歯周病の方は痛いやしみるといった自覚症状がほぼありません。そのため知らないうちに症状が悪化していることが多く、歯周病により破壊された歯槽骨は骨吸収をはじめるため、歯が抜けるまで歯周病が進行していた場合、骨吸収はかなり進んでいる状態だといえます。

生まれながらに骨が薄い

もともと日本人の顎は小さく、西洋人に比べると華奢で厚みがありません。そのうえ、生まれながらに他の人に比べて顎の骨が薄い人もいます。骨が薄くても日常生活に支障はありませんが、インプラント治療を受ける際、手術の前にインプラントを支えるのに十分な骨を造る「GBR法(骨再生誘導法)」が必要になる場合があります。上顎の骨の上には上顎洞という大きな空洞があります。この空洞が生まれつき下の方にある場合、上顎の骨は薄くなってしまいます。

顎の骨を増やす治療方法

骨吸収が進んでしまい骨の量が少なくなったり、厚さが薄くなってしまった場合、歯を失ってしまってもインプラント治療をおこなうことはできません。インプラント治療を受けるためには、骨を増やす骨造成が必要になります。インプラントを埋入するのに十分な量や厚みになるよう、人工骨等を用いて骨を増やします。 骨造成にはさまざまな方法があり、治療箇所や骨吸収の程度によって治療方法が違います。どの治療を選択するかは担当医師の判断となります。骨がない方でもインプラント

ソケットリフト(上顎洞挙上術)

ソケットリフト(上顎洞挙上術)は、上顎の奥歯の骨量が足りない場合におこなう治療法です。ソケットリフトは、骨の高さが3~5mm以上あっても、インプラントを埋入できない場合におこないます。失った歯の部分に穴をあけ、歯槽骨と上顎洞の間にあるシュナイダー膜を持ち上げてスペースを作り、人工骨を入れて、インプラントを埋入するのに十分な骨の量や厚さを作る方法です。

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ソケットリフト(上顎洞挙上術) ソケットリフトは、サイナスリフトのようにインプラントを埋入するのに必要な骨が足りない場合に上顎洞のサイナスに骨補填材を入れて骨再生…

サイナスリフト(上顎洞底上術)

サイナスリフト(上顎洞底上術)は、ソケットリフトと同様奥歯の骨量が足りない場合で、さらに骨の高さが3~5mm以下の場合におこなう方法です。 サイナスリフトの治療方法はソケットリフトと同じですが、歯茎の側面から人工骨を入れて十分な骨の量や厚さを作ります。

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上顎洞底上術(サイナスリフト) 骨が少なくても「サイナスリフト」という術式でインプラントを行うことができます。上顎歯槽骨が薄く、上顎洞が低い位置にある場合、上顎…

GBR(骨誘導再生)

GBRとは、骨再生を促進する方法です。インプラント体を埋入した後に骨が足りない場所の歯茎を切開して、ご自身の体の骨や人工骨を入れ、特殊な人工膜で覆い、歯茎を戻し縫合して骨を再生させます。

まとめ

上記のような理由により、顎の骨がやせている場合は、インプラントの手術の前に骨を増やす治療を行います。骨を増やす治療法には様々な方法がありますが、症状に合わせて歯科医師が最善の方法を選択し行います。※骨を増やす治療はすべての歯科医院で受けられるわけではありません。

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