骨不足でインプラント治療ができないと断れた方|高松市の吉本歯科医院

インプラントは「自分の歯のように噛める」「残存した歯への影響がない」など多くのメリットがあるので現在では多くの方が歯を失った時に選ばれる治療です。 しかしインプラントをしたいと思ったけれど、「顎の骨が薄い」「骨がない」といった理由で、インプラント治療を断られたという方も多くいらっしゃいます。インプラント治療は顎の骨に穴を空け、そこに人工歯根埋め込んで固定するという治療方法です。そのため「顎の骨の量」が手術できるかどうかの重要なポイントになってきます。インプラント治療を受けたくても断られてしまう場合の多くは、顎の骨(特に上顎の骨)が少ないケースです。しかし、骨の量が少なければ100%インプラント治療を受けられないかと言ったら、決してそうではありません。今回は、顎の骨が少ない方がインプラント治療を受けるための「造骨法」という技術についてお伝えします。

「骨の状態」でインプラント治療を断られる理由

インプラント治療は歯槽骨に人工歯根であるインプラントを埋め込みます。インプラントの直径はものにもよりますが4mm前後あり、土台となる歯槽骨の厚さや幅が足りないとインプラントが骨に収まりません。そのため、骨の厚さや高さが足りないと一般的な歯科医院ではインプラント治療を断られてしまうケースが多いのです。

香川県高松市のインプラント治療ができる歯医者をお探しなら、吉本歯科医院へ。骨が薄い方、骨がないと言われた方のインプラント

なぜ骨が薄くなってしまうのか?

日本人はもともと骨が薄い

もともと日本人の顎は小さく、西洋人に比べると華奢で厚みがありません。そのうえ、生まれながらに他の人に比べて顎の骨が薄い人もいます。骨が薄くても日常生活に支障はありませんが、インプラント治療を受ける際、手術の前にインプラントを支えるのに十分な骨を造る「GBR法(骨再生誘導法)」が必要になる場合があります。

歯周病

歯周病も歯槽骨が薄くなる原因です。歯周病の初期段階では歯周組織が菌に感染して炎症が生じ歯槽骨を溶かして吸収しはじめます。歯が抜け落ちるほどの重度の歯周病であるほど、骨の吸収もかなり進行し、骨の厚さも薄くなります。歯周病が進行し歯がグラグラ揺れるようになり、最悪の場合、歯が抜け落ちてそうだという症状の方は「すでに骨の吸収がかなり進んでいる状態」だと言えます。

合わない入れ歯の使用を続けていた

失った歯の機能を補う治療法の入れ歯ですが、合わないものを使い続けると顎の骨が薄くなることがあります。合わない入れ歯は顎の骨に必要以上に大きな圧力がかかり、骨が吸収されて薄くなってしまうのです。入れ歯の土台の顎骨が年齢とともに骨吸収して、土台の骨が少しずつ小さくなり入れ歯と合わなくなっていくのですが多くの方は合わない入れ歯でも無理に使い続けているため気が付けば顎の骨がなくなってしまっていたというケースは非常に多いです。

抜けた歯を放置

抜けた歯を放置していると骨は痩せていきます。私たちは、歯を使って「物を噛む」という行為によって顎全体を適度に刺激しています。しかし、歯が抜けてしまうとこれまであった刺激がなくなります。刺激がなくなると顎の骨は徐々に痩せていきます。このように、骨が痩せていくことを「骨の吸収」と言います。

骨が少ない方でもインプラント治療ができる「骨造成」

骨が少ない方でもインプラント治療を行う場合の方法として、インプラントを行いたい部分に「骨造成」をするという方法があります。インプラント治療は顎に十分な骨の厚みと高さが必要です。そこで、足りない顎の骨を増やすために行われる処置のことを骨造成といいます。この治療によって、インプラントを諦めずに治療を受けることができるのです。

骨が少ないとどんなことが起こる?

顎の骨が薄かったり高さが低いままインプラントをしてしまうとインプラント体が顎の骨を突き抜けてしまったり、歯肉から露出してしまったりといったことが起こる可能性があります。骨が少ない場合にはは埋入するための穴を開けることも実際はとても難しいです。埋入したとしても骨や周辺組織と結合しづらく安定することもできないことが予測されます。安定しないためインプラント治療後、歯並びが悪くなり、歯並びが悪くなることにより歯磨きが難しくなります。そうすると歯周病の原因となる菌がすみつきインプラント周囲炎を引きおこしてしまう可能性があります。そうならないためにインプラントを埋入する前に骨造成手術を施し、インプラントをしっかり安定させるために必要な厚みと高さを補う必要があります。

「骨造成」はどんな人に必要?

顎の骨が足りなくなる要素はいくつかありますが。大きく分けると2つのパターンが多く見られます。ひとつはご高齢の方に多いのですが、長年の入れ歯生活などで刺激を受けにくくなったため、顎の骨が痩せてしまうケース。もう一つは、重度の歯周病で顎の骨が解けてしまったことで歯を失ったケースです。他にも抜歯や脱落で歯が抜けたのにそのまま放置していた期間が長かった場合や、腫瘍などの影響で顎の骨の一部を失ってしまった場合など、インプラントを埋め込みたい場所の顎の骨が少ない場合は骨造成治療の対象となります。

「骨造成」は誰でも受けられる?

喫煙習慣のある方や全身疾患があり手術自体を受けられないといった方は、骨造成手術もそうですが、インプラント治療そのものを受けられない場合もあります。喫煙はタバコに含まれる成分で血流が悪くなり、骨や周辺組織の結合や術部の傷の治りを妨げてしまいます。また、全身疾患をお持ちで外科手術を受けること自体が難しい方は、身体の負担も大きくなるので骨造成はもちろん、インプラント埋入手術も受けられない場合があります。喫煙されている方は禁煙をされてある一定期間が過ぎてからであればインプラント治療は可能です。ご希望の方は問診時に必ず喫煙の状況や全身疾患の状況を詳しくお話しいただきご相談ください。インプラント治療前には必ず血液検査や心電図検査を行って頂きます。全身疾患をお持ちの方はかかりつけ医師の診断書をお持ちいただいてからインプラント治療が可能となります。吉本歯科医院のインプラント治療の安全性

骨造成法の種類

骨造成の方法として行われる治療は主に2つです。全般的に行われるGBR法(骨誘導再生法)と、上顎に行う場合のサイナスフト法です。それぞれの方法を解説します。

GBR法(骨誘導再生法)

歯ぐきを切開し、インプラントする場所の顎の骨が不足している部分に自分の骨(自家骨)や人工的な骨(骨補填材)を充填し、人工膜「メンブレン」で覆います。歯ぐきを閉じてその後数か月、顎の骨が再生・増骨される期間を置き、安定するのを待ちます。厚みや高さが安定したらインプラント埋入手術を行います。

上顎洞底上術(サイナスリフト)

この方法は上顎の骨が不足している場合に行われる「上顎洞挙上術(じょうがくどうきょじょうじゅつ)」といわれる治療です。上顎は鼻のそばにある上顎洞という空洞が近いため、個人差はありますが下顎に比べるともともと顎の骨が薄い傾向にあります。この部分の骨の厚みを安定する厚みにしておくことで、インプラントを安定して埋入できる状態にする治療です。上顎歯槽骨が薄く、上顎洞が低い位置にある場合、上顎洞低を押し上げて骨を填入し、歯槽骨幅を確保します。

下記の写真をご覧ください(骨のない状態)。

骨がないため、骨が吸収し薄くなった状態がわかります。

サイナスリフト術により骨が増えた状態(ピンクの部分が骨が増えた状態)です。

患者さまの顎の骨の模型です。

患者さまの顎の骨の模型を円形に削ります。実際には骨に穴を開けていきます。骨と上顎洞(サイナス)の間には「シュナイダー膜」という膜があり、それを破らないように細心の注意を払いながら削っていきます。

当院では、5ミリの骨があれば埋入可能なインプラント体も採用していますので、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)を行う必要頻度は他のインプラント治療を行う歯科医院よりは少ないかもしれません。 当院において通常のインプラント手術は1時間以内で簡単に終了します。横を向いて埋まっている親知らずを抜くより簡単な手術です。しかし極端に骨量が少なく、皮質骨しかないような場合や5ミリの骨があっても骨質が柔らかい場合や、歯軋りやくいしばりがある場合はソケットリフトも成功しませんので、 香川県立中央病院や香川大学医学部附属病院の歯科口腔外科といった総合病院の歯科口腔外科にてサイナスリフト(上顎洞底挙上術)を行って頂きます。

骨造成法のメリット・デメリット

骨造成はインプラント治療ができないであろうと判断されても、治療を受ける可能性の広がる画期的な治療方法です。
とはいえ、そのためには外科治療を行う必要があり、メリットだけでなくデメリットも含め治療内容について十分な理解が必要です。

メリット

最大のメリットは、骨の厚みや強度を確保することで、インプラントができないであろうと判断されるほど骨が少ない人でもインプラント治療を受けることができるようになることです。単体だけでなく多数歯治療の場合でも対応できる可能性も広がります。また、これまで骨が少ないことで歯ぐきが痩せてバランスが悪かった歯茎が元の高さに戻るので、審美的回復も期待できます。

デメリット

通常のインプラント治療でも歯ぐきの切開や顎の骨の切削をするための外科処置を行いますが、骨造成が必要な場合、その前に同じような外科処置をすることになるため、2度の手術が必要です。術後の腫れや痛みも起こりますから、身体的な負担はインプラント手術のみの場合よりもかかります。骨造成後半年くらいは増骨し組織との結合や安定するまでの期間を設けますから、長期間を要します。

まとめ

インプラント治療を検討していても、歯科医院によっては「顎の骨が足りない」という理由でインプラント治療を断られてしまった体験がおありになる方も多いかと思います。インプラントを埋入するには一定以上の顎の骨の幅・高さが必要になり、顎の骨が足りない(薄い)場合は、そのままの状態ではインプラントを埋め込むことができません。理由は骨の量が不足していると、たとえインプラントを埋め込んだとしても安定せず、抜け落ちてしまうリスクも高くなるからです。しかし、顎の骨を増やす「GBR法(骨再生誘導法)」をおこなえば、インプラント治療を受けられる状態にすることができます。

しかし、インプラント治療を行っている医院すべてが骨造成治療を行えるわけではありません。骨造成をおこなっていない医院で治療相談された場合、インプラントできないという診断を受けることもあるでしょう。そのような方がインプラント治療を諦めずに済む方法が骨造成です。骨造成することでインプラント治療が可能であれば、治療の選択肢が広がります。そして治療後は、しっかり噛める歯や整った歯茎を手に入れることができます。ご自身のライフスタイルや健康状態と併せて十分ご検討いただき一度相談されてみてください。

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