タバコを吸っている人のインプラントリスク|高松市の吉本歯科医院

香川県 高松市のかみ合わせ専門のインプラント治療 吉本歯科医院の吉本彰夫です。これからインプラントをする方、もし歯がなくなったらインプラントをしようとお考えの方、また、既にインプラントを入れている方にお伝えしたいことがあります。それはインプラントをする時、した後に喫煙がどれほど危険性があるか、ということです。「私はタバコを吸わないから大丈夫」と思っているあなたにも、知って欲しいのです。なぜなら、タバコの煙は、タバコを吸っていない人でも、同じように害があるのです。吉本歯科医院では、インプラント治療をご希望されお越しになられる患者さんも、多くいらっしゃいます。その時に、もしその患者さんがタバコを吸っていたならば、即、「タバコをやめてください」とお伝えします。タバコがインプラントをダメにすることはもはやはっきりわかってきました。タバコがどうしてインプラントをダメにしていくのか?お話します。

インプラント治療後のトラブル

吉本歯科医院には、他の医院さんで過去にインプラント治療をされた患者さんからたくさんご相談が寄せられます。

など、いろいろなケースを見てきています。その中で、インプラント治療をした後も、引き続き、「喫煙」を続けていた、という患者さんは多くいらっしゃいます。インプラント治療をするにあたって、「禁煙する」ということは必須のお約束事だということを全くご存知ない方はいまだ多くいらっしゃいます。「まあ、先生はそういうけど、本数を減らすくらいでまあいいだろう」「先生は大袈裟に言ってるだけなんだろう」この程度の認識です。喫煙は糖尿病と共に、インプラント治療の最大の失敗要因になります。

インプラントというおおがかりな治療だけでなく、タバコを吸っているだけで、その方はハイリスク患者となります。骨移植や骨造成術、上顎洞底挙上術など、手術創の大きな術式は、「タバコを吸わない」ことが前提であり、「タバコを吸う」方には行なうことはできません。インプラント治療をしたいけれど、タバコを吸うことがやめられないために治療をお受けになれない患者さまも実際におられます。これを読んでくださったあなたが、もし今後将来歯を失った時に、インプラントを考えているのであれば、すぐにタバコをやめて下さい。そうでなければあなたはもし多くの歯を失った時、「入れ歯」という選択しか、残されていません。また、インプラント治療を過去にお受けになった方で喫煙を続けているという方がいらっしゃれば、すぐにおやめ下さい。治療が完了したあなたのインプラントの寿命は、タバコを吸うことで日々短くなっています。医院さんによっては、■本数を減らすなら大丈夫■手術の前後だけ禁煙してくれればOK■治療後なら元どおりにタバコを吸ってもOKというお知らせをしていることもあるようです。

禁煙宣言をを発表

しかし、吉本歯科医院ではインプラント治療をお受けになる患者さんには100%禁煙をお願いしております。インプラント治療を受けて、その後トラブルが起こりなんとかして欲しいと駆け込んでこられる患者さんの多くが「喫煙」をしてたケースがあまりにも多いことを実際に見てきているから、です。日本口腔インプラント学会は平成30年に「禁煙宣言」を発表しています。

タバコを吸っている人のインプラントリスク|高松市の吉本歯科医院

※日本口腔インプラント学会ホームページより抜粋

インプラント治療後の不具合、悪化、さまざまな悪影響を及ぼすとはっきり示しています。近い将来必ず起こるリスクをきちんとお伝えせずインプラント治療をお受けすることはできません。喫煙の危険性をきちんとお伝えすることも重要な医療行為であると吉本歯科医院では考えています。

タバコの煙は粒子の集まり

タバコの煙は粒子の集まりです。タバコの煙を顕微鏡で見てみます。このように小さな粒、粉のようなものが空気中に広がっているのが見えます。粉なんですね。煙となって空気中に消えていくのではなく、タバコの煙は肉眼で見えていないだけで小さな粒子として存在しているのです。空気中に飛び交っています。この小さな粉が衣服に付着するので衣服が「タバコ臭い」とにおいます。タバコを吸う人が多い店に行った後はご自身が吸っていなくてもタバコのにおいが着ていた洋服につきますよね。タバコのにおいが衣服に沁みつくと言いますがそうではなく、正確には「衣服にタバコの粒子が付着している状態」です。小さい粒子が毛髪や衣服に吸着しているのです。繊維の奥深くに入り込んでいる状態です。

花粉をイメージして頂くとわかりやすいですね。髪をかきあげたり、座ったり立ち上がったりする動作により表面に付着している花粉の粒子が空気中に舞い始めます。ふとんのホコリを叩くように外から家に帰って家の中に入られる前に衣服や毛髪に付いた花粉をはたき落とします。インフルエンザウイルスもノロウイルスも同じです。小さな小さな粒子が肉眼で見えないだけで空気中に飛び交っているのです。タバコの煙はナノという単位の無数の微粒子で構成されています。タバコを吸う方はその無数の微粒子を肺の中に送り込んでいることになります。タバコを吸わない方でも同じです。タバコを吸っている人が近くにいればその人が吸って吐いたタバコの煙の無数の微粒子を自分が吸い込み、そして自分の肺に吸い込んでいることになります。その瞬間吸っていなくても、毛髪や衣服に付着した粒が舞うのです。口から吸い込めばそのまま粒子が肺に行きます。口から入ってタバコん煙の小さな粒子は容易に肺に到達できます。そして蓄積されるのです。中国からの大気汚染物質PM2.5が一時期話題になりました。PM2.5とは浮遊粒子物質の中でもさらに細かい微粒子状物質のことをさします。つまり粉の大きさの話です。

一般的に粒径10マイクロメートル以上の粒子の大部分は鼻の鼻毛や粘膜に吸着され呼吸により肺にまで達することはありません。しかしそれより小さい浮遊粒子状物質は気管に入りやすく粒径2.5マイクロメートル以下の微小粒子は肺の深部に侵入、沈着蓄積しやすく発がん性物質などを有する有害成分が多いと言われています。車の排気ガスや工場などのばい煙に含まれる直径2.5マイクロメートル(1000分の1mm)以下の微小粒子状物質です。粒子が小さいため肺の奥にまで侵入し、呼吸器系を中心に影響を及ぼします。排気ガスに多く含まれ「公害」のイメージが強いようですが、実はタバコを吸っている人の隣で吸い込む煙にも多く含まれており珍しいものではありません。

タバコは空気ではなく粒子

タバコは吸気ではなく粒子です。タバコの煙は「公害」と同じなのです。その細かい粒が肺へ入ればどうなるでしょうか?

肺は約3億個もの肺胞というネットによって作り上げられています。三角コーナーのようなネットなのです。タバコの粒は肺胞につまってしまうのです。同じようにハウスダストもそうですし中国で有名になっている大気汚染も同じです。それらすべてが肺に詰まってしまうのです。なくなりません。タバコを長年吸われた方の肺がどのようになっているかご存じでしょうか?肺は本来はゴム風船のように柔らかく膨らんだりしぼんだりします。それが長年喫煙をされている方の肺はヘドロのように粘着性のものがくっつくので拡がることができずに弾性がなくなるのです。伸びなくなるのです。ゴワゴワにカチカチに固まってしまうのです。伸びしろがなくなってしまうんですね。肺の表面が硬くなって膨らんだり縮んだりできにくくなるのです。肺活量も落ちてしまいます。

最近では禁煙外来も増えてきています。健康保険が適応できようにもなっています。つまり禁煙できない方は完全に中毒という病気であると国が認めたということです。国が国家予算をつぎ込んでも減らしたい麻薬中毒と同じ中毒症であるということです。歯科においても禁煙外来に紹介状を書くことが健康保険の適応になっています。「禁煙をおすすめしますね」といったやわらかい感じではなく「禁煙は病気です。禁煙専門の先生を受診して治療を受けて下さい」という紹介状の名の警告書を渡すべきであるという考えに変わったということです。日々、浮遊している排気ガスや汚染したもの、そしてタバコの煙、そういったものが肺の中に詰まり詰まって肺そのものの機能が低下していっているのです。さらにタバコを吸っている方は吸っていない方と比較して2~8倍歯周病になりやすいというデータがあります。

タバコを吸っている方は2~8倍歯周病になりやすい

「タバコを吸う」ということは歯周組織にどんな影響を与えるでしょうか?喫煙者ではニコチンの強力な血管収縮作用や一酸化炭素の素粒子の作用により気がつかないうちに重篤な状態へと進行していきます。簡単に言えば血の巡りが悪くなるということです。糖尿病と同じで血のめぐりが悪くなると末端まで新鮮な血液がいきわたりません。当然、歯茎や末端の骨にまで血液が届かないわけです。口の中が栄養失調状態に陥るとお考え下さい。タバコを吸っている方のお口の中はネバネバしています。唾液の分泌量が低下するから、です。唾液の分泌量が低下すると口の中の細菌の繁殖を抑えづらくなります。そうすると当然、歯垢や歯石がたまりやすくなります。歯周病がどんどん繁殖し、いったんかかってしまうと悪化の一途をたどります。ではもしタバコを吸っている方が一念発起して「禁煙」したとしましょう。どの程度で体の状態が変化していくのでしょうか?

タバコを吸っている人のインプラントリスク|高松市の吉本歯科医院

禁煙して一か月しないと歯の周りの歯茎に十分な血液が巡ってきません。歯を抜いた後に十分な血が供給され続けなければそこの傷は十分に治らないのです。骨が作られないんですね。周囲の歯茎や骨が十分に治っていかないわけです。植木鉢に水をあげなければ植物は枯れてしまいます。喫煙と糖尿病はインプラント治療の最大の失敗要因となります。

血管を細くし、血のめぐりが悪くなるのです。血が巡らないということは骨とインプラントが結合しないということです。インプラントに結合した骨に栄養が供給されなくなって骨が溶けるのです。ご自身の歯も同じです。特に上顎は顕著です。例えばちょっと怖いですが、片足を切り落とされたと想像してみてください。切り落とされた足はどうなるでしょうか?血液による栄養が供給されませんから腐っていきますよね。上顎が口蓋に太い血管があるんです。硬口蓋、上顎の歯、鼻中隔下方に栄養を供給する大口蓋動脈(だいこうがいどうみゃく)という頭部の動脈です。この動脈に血行不良が起こると、上顎の歯は綺麗な状態でボロボロと痛みもなく抜けていきます。

ちょうど足が切り落とされた場合に指が腐るように歯の周囲が腐っていくのです。熱いものを食べて粘膜が剥がれたことはありますでしょうか?その時の粘膜の色は何色でしたか?粘膜や歯茎が白色です。新鮮な血が巡っているので赤く見えるのです。歯茎が白かったり赤黒かったりしているのは血行不良が起きている証拠なのです。ある患者さんはもう40年近くタバコを吸い続けてこられました。ある日突然息が苦しくなりだんだん呼吸ができなくなりそばにいた奥様が救急車を呼び病院に運び込まれました。一命をとりとめましたがその時のことを「地獄の苦しみだった」と私に話して下さいました。長い間生きてきてあんなに苦しい思いをしたことはないということでした。お医者様の診断は「肺に穴が空いてしまっていた」ということです。長年の喫煙によるものです。その後、一切タバコをやめ定期的に検診を受けられながら今は日常生活を送っておられます。肺も「正常でなくあった時はじめてその大切さに気がつく」ものだと思います。

お気軽にお問い合わせください。087-818-1118受付時間 9:15-18:00 [ 日・祝日除く ]

ご予約・ご相談
タバコを吸う方へ!インプラント治療前に知っておきたい歯のトラブル

毎日生活をしていますと、人と話す機会や街中に出て他の人と話す時には口腔内の匂いが気になってしまう時があります。この口腔内の口臭には色々な原因がありますが、この…