吉岡歯科医院のインプラント技術

サイナスリフト

1)ソケットリフト法では、インプラントを埋め込む位置に、1mmの厚みの骨を残してドリリングします。

2)上顎洞内は、薄い粘膜が一層おおっています。その粘膜を破らないように、ドリリングした部位から専用の器具を使って軽くトントンと叩いて粘膜を持ち上げます。

3)持ち上げた部位に、粘膜を破らないように少しずつ人工骨を填入します。

4)インプラント体の入るスペースができあがったら、インプラント体を埋入します。

上顎臼歯部にインプラント手術を行うにあたって、上顎洞底が低いケースでは、骨移植やサイナスリフトを行わないとインプラントを埋入できないケースがあります。これらの手術は高度な技術を要求され、治癒期間や、その他患者様の負担を考えると避けたい術式です。

ソケットリフトは、これらの難しい手術と比べて、リスクの少ない簡単で安全な手術ですが、通常6ミリ程度の骨量が必要とされています。

それ以下だと、皮質骨が骨折したり、上顎洞に穿孔してしまうリスクが高くなったり、有効な初期固定が得られないためだとおもわれます。

エンドポアインプラントに限っての術式だとは思いますが、吉岡歯科医院では上顎底まで3ミリ程度、すなわち、皮質骨しかないような状態でも、比較的安全に手術できる方法を考案し実践しています。

カナダ(エンドポアインプラントが開発された国)で商品化にあたって臨床試験をしたデポーター教授に、この術式が妥当かどうか検討を依頼したところ、自分も国に帰ったらやってみると言っていましたので、とりあえず大きな問題はなさそうです。

この手術法は「皮質骨にトレフィンバーで切り込みを入れ、その上から大きめのオステオトームで皮質骨ごと槌打し、ソケットを形成してしまう」というやりかたです。 かんじき(雪の上を足が沈まないように足につける輪)式か、五右衛門風呂(鉄の風呂桶に木の蓋を踏んで入る)式と名付けようかと思いましたが、あまりに変な名前なので、吉岡式ソケットリフトと勝手に銘々しました。

この術式のメリットは「切れ込みを入れる為、皮質骨が頬側に骨折しない」ということと「ボーンジェクトなどを使わなくても、オステオトームが上顎洞を穿孔するリスクが低い」ところにあります。 トレフィンバーはITI用の物(4ミリより少し小さい)を使うと、直径4.1ミリのエンドポアインプラントがタイトに入り、十分な初期固定が得られます。


大臼歯部に2本埋入します。第2小臼歯はインプラント手術に悪い影響を与える可能性が高いので抜歯したかったのですが、患者様本人の強い意志で保存することになりました。

上の写真で分かりますが、ほとんど骨がありません。


前方に9ミリ、後方に7ミリのインプラントを埋入しました。
レントゲンでは穿孔しているように見えますが、術後、鼻出血等は確認されませんでした。

以下は術中写真です


事前にコンピュータ上で切開ラインを考えます。


歯槽頂真上の切開で問題ないと思いますが、ぺリオなどで抜歯になった場合、血管の走行が見かけ上の歯槽頂真上に近いこともあり、少し頬側に入れた方が安全そうです。


本当は歯槽骨の頬舌的中央に埋入したかったのですが、ラウンドバーで骨膜の残りを除去した際に、骨頂部の骨が妙に柔らかく、エキスカが簡単に食い込みました。 これでは「くり抜いた骨」が「かんじき」に役目をなさないと判断し、エキスカでつついても硬かった頬側に埋入位置を変更しました。


インプラントを埋入し、粘膜を縫合して一時事手術の完成です。この状態で時間を置き、骨とインプラントが結合するのを待ちます。


術後のパノラマX線写真です。

注)この症例『吉岡式ソケットリフト』は平成14年1月に当HP上に掲載しましたが、クインテッセンス出版の平成14年5月10日発行のデンタル・インプラントロジーP86に Paul A.Fugazzotto氏の「トレフィン/オステオトーム法によるインプラント埋入」という論文が紹介されていました。内容的には私の考えた方法と全く同じものです。

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