格安インプラントの欠点は技工物の製作にかける費用

インプラント治療はインプラントを埋めるという、外科部門とインプラントに歯を取り付ける補綴部門から成り立っています。専門医制度が進んでるアメリカでは、インプラントを埋める先生はインプラントを埋めることが専門で、インプラントに歯を取り付ける先生は別の補綴専門の先生が行うことが一般的です。しかし、インプラント治療においては、外科の先生や補綴の先生以外に歯を製作する歯科技工士の存在が重要です。腕の良い歯科技工士はよく噛める丈夫な歯を作るだけでなく、歯科医師と綿密な相談をしながら、患者さんの顔にマッチした素晴らしい芸術的な技工物を製作します。日本の歯科技工士は国家資格があるだけでなく、職人のプライドをかけた仕事をしています。最近はCADCAMというコンピュータを駆使した現代的な技工物が主流になってきましたが、その最終工程では、歯科技工士としての経験が重要で、機械が全てを作るのでは無く、最後はプロの手先の器用さが要求される職人的な仕事なのです。しかし、コストが安いインプラントの医院は、原価を安く抑える為に海外の安い国に技工物を発注していることが一般的です。安い補綴物を発注している国は、物価と人件費が安く、歯科技工士は資格を持たない素人です。そんな訳で、値段は安いがクオリティが高い訳では無いのです。歯科技工士の国家資格が存在しない国で製作された技工物は、どんな材料が使用されているのか安全性の点でも疑わしいのが実情です。優れた補綴治療の鍵になるのは、歯科医師と歯科技工士の信頼関係の構築であり、日常的な歯科医師と歯科技工士との綿密なコミュニケーションが欠かせません。その為には、技工物の製作を担当する技工士は、日本語で頻繁にやり取り出来る国家資格を持った日本の歯科技工士が技工を担当する必要があるのです。

各専門医がいる歯医者選びが重要

インプラント治療はたった一人の歯科医師で行うべき治療では無く、インプラント埋入手術時には執刀医以外に、手術中に常時生体情報モニターの画面を見ながらリアルタイムで血圧、脈拍、呼吸をコントロールする全身管理麻酔担当医師の存在が重要ですし、治療が終了した後には、定期的な清掃と指導管理する歯科衛生士の存在も非常に重要です。

しかし歯科衛生士が居ない歯科医院も少なく有りませんので、歯科医院選びには注意しなければいけません。インプラントの寿命は治療後の歯科衛生士の管理次第と言っても過言では無いからです。

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