歯科コラム

インプラントが緩んでしまう原因

インプラントが緩んでしまう原因

インプラントは使い続けているうちに何らかのトラブルが起こるものですが、よく見られるトラブルであるのが「インプラントの緩み」です。

インプラントのパーツが少しずつ緩んでいき、やがて外れてしまうこともあるこのトラブルは、いったいどういったことが原因で引き起こされるのでしょうか。

今回はインプラントが緩んでしまう理由と、インプラントが緩むことで起こることなどをご紹介します。

インプラントが緩む理由

インプラントは、おもに3つのパーツに分かれています。

●歯の骨(歯槽骨)のなかに埋められる歯根部(フィクスチャー)。
●治療の最後にインプラントにつける人工歯(上部構造)。
●そして歯根部と人工歯をつなげるための支台部(アバットメント)です。

さらにインプラントには、歯根部と支台部がすでにつながっている「1ピースタイプ」と、歯根部と支台部が分かれている2ピースタイプがあります。

そのため、インプラントが緩むというトラブルが起こるのは、「2ピースタイプ」のインプラントです。

歯根部と支台部が分かれている2ピースのインプラントは、支台部を歯根部のなかに固定し、また場合によってパーツを取り外せるようにスクリュー(ネジ)式で連結しています。

それによりインプラントを使い続けていることにより、何らかのはずみで固定したスクリューが少しずつ緩んできてしまい、インプラントの緩みが起きてしまうのです。


インプラントの緩みを起こす原因

インプラントの緩みを起こす原因

2ピースのインプラントは歯根部と支台部をスクリューにより固定しているとはいえ、簡単に外れてしまうことがないようにしっかりスクリューを締めてあるものです。

それでも外れてしまうことには、何らかの原因が隠れているものです。そこでインプラントが緩んでしまう原因となる行為についてご紹介していきたいと思います。

■噛み合わせの調整ができていない


インプラントと自然な歯はその構造が大きく異なっているものです。
そのため自然な歯と同じ扱いをすると、インプラントに大きな負荷がかかるようになり、長く持たなくなってしまうということもあります。

そのようになってしまわないように、慎重に行わなくてはいけないのが「噛み合わせの調整」なのです。

その理由は、自然な歯は上下の歯を噛み合わせると、歯が少しだけ揺れ動き、それにより歯にかかった力が分散されるようにできているためです。

対してインプラントは歯の骨にがっちりと固定されているため、強い力がかかると歯のように力が分散されず、じかに負荷がかかります。

そのため、インプラントは自然な歯よりもほんの少しだけ噛み合わせを低く調整することで、インプラントに負荷がかかりにくくすることが鉄則となっています。

これをしっかり行わずに、インプラントが他の自然な歯と同じ噛み合わせの高さになっていると、インプラントに強い負荷がかかり、インプラントが緩む原因となります。

■歯ぎしりと食いしばり


インプラントは噛む力に耐えなくてはいけないため、それなりの強度を持っています。
人の噛む力は見た目以上に強く、場合によっては自身の体重と同じくらいのパワーも出せることがあるのです。

とはいっても、食事をしている時はそれほど強い力で噛むことは滅多にありません。
問題なのは、食事以外の時にも歯に強い力がかかり続けることなのです。

それを引き起こしているのが「歯ぎしり」や「食いしばり」の悪癖です。
「歯ぎしり」は眠っている時に行っていることが多い無意識の行動であり、自分自身が「歯ぎしり」をしていると自覚している人はあまりいません。

「食いしばり」は「歯ぎしり」と同じく眠っている時にしている場合もあれば、日常の生活で重いものを持ち上げようとしたり、スポーツをしている時にしたりする場合などもあります。

これらは食事の時とは異なり、非常に強いパワーで行っていることがあり、インプラントにとっては大きなダメージとなります。よってこれらが原因でスクリュー部分が緩んでしまうこともあるのです。

■歯の減少


インプラントを問わず、口のなかにあるすべての歯は口のなかの変化に敏感です。
その変化とは、具体的には「歯の減少」を指します。

歯が減少すれば、これまですべての歯に均等に分散されていたパワーバランスが崩れ、一本一本の歯にかかる負荷が増してしまいます。

それによりインプラントにもいつも以上に大きな負荷がかかるようになれば、それをきっかけにインプラントのスクリューが緩んでしまうこともあります。

全体の歯のバランスも計算に入れてインプラント治療は行われているため、歯の本数が変わってしまうことはインプラントにとってはとても重要なことです。


もしインプラントを緩んだままにしておくと…

インプラントが緩んでしまっても、食事をするうえで不都合がなければそのままにしてしまう方もいます。

しかし歯根部と支台部のスクリューが緩むと、それにより人工歯と歯ぐきのあいだに隙間ができてしまいます。

その隙間からは、インプラントにとって重要な歯根部が見えてしまい、そこに口のなかの雑菌が入り込んでしまうと、インプラント周囲炎の原因になることがあります。

さらにインプラントが緩んでいることで、強い負荷がかかった時にパーツの何処かしらが破損してしまう原因になることもあります。

そのためインプラントが緩んでいると気づいた時は、なるべく早く治療を行った歯科医院で対処してもらうようにしましょう。

■インプラントの緩みは危険信号


インプラントは長く使い続けることにより、一度か二度、緩むことはありえるものです。しかし、治療が終わって間もないうちに立て続けにインプラントが緩むことがあれば、それは何かしらの異常があるということを知らせていることになります。

その原因は噛み合わせの調整不足であったり、歯ぎしりや食いしばりであったりなどひとつではありませんが、なるべく早く原因を突き止めることが大切なのです。インプラントの緩みは放置せずに、しっかり対応してもらうようにしましょう。

■ 歯科コラム バックナンバー一覧

吉岡歯科医院オフィシャルサイト

吉岡院長の治療説明や最新歯科治療について紹介しています!