歯科コラム

インプラントは、歯を失ったあと、まるで自分の歯のように噛めるようになる、素晴らしい治療法です。歯が抜けたらインプラントをしたいと考えている人も多いことでしょう。しかし、インプラントは手術が必要であり、体の中に埋め込むという特性上、治療に特に注意が必要なケースやリスクを伴うケースというものがあります。今回は、インプラントを行う上で特に注意が必要な場合やリスクを伴う場合にはどのようなものがあるのかについて解説してきます。

インプラントのリスクとなりうるもの

インプラントのリスクとなりうるもの

■患者の年齢

成長期の子供の場合、顎の骨も成長過程にあるため、インプラントはできません。18〜20歳くらいで成長が止まったというのが確実になるまではインプラントは通常行いません。また、高齢者の場合は、持病を持っている人の割合が高くなり、治癒力も落ちるため、リスクが高くなりますが、元気な人の場合には十分可能です。

■喫煙

喫煙する人は、インプラント手術後の治りが悪く、インプラントがうまくくっつかないリスクがあります。また、うまくインプラントがくっついたとしても、その後インプラント周囲炎を起こしやすいため、インプラントが早くダメになってしまうリスクが高いと言えます。

■妊娠・授乳中

妊娠中は胎児への影響を考え、痛み止めや抗生剤の服用が必要となるような外科処置は控えるべきです。

■全身疾患


●高血圧 
コントロールされていない高血圧の場合、インプラントの手術時に出血困難となってしまったり、手術後に血が止まらない、というようなリスクがあります。血圧がコントロールされていれば手術自体で問題が起こる可能性は低くなります。

●糖尿病 
重度の糖尿病の場合、手術をした部分の治りが悪くなったり、免疫能力の低下により、細菌感染のリスクが高まります。そのため、インプラントを埋めたとしても骨とうまくくっつかずに失敗してしまうリスクがあります。また、インプラントが入った後も、インプラント周囲炎にかかりやすいため、十分な注意が必要です。

●心疾患 
心疾患の代表的なものとしては心筋梗塞と狭心症があります。心筋梗塞の場合、心筋梗塞の発作が起こった1ヶ月以内はリスクが高く、その後の後遺障害が少なければ早期にインプラント手術も可能とされています。狭心症の場合は、きちんと薬でコントロールされていれば手術は可能ですが、心筋梗塞を起こすこともあるので、手術前に発作時の対応(ニトログリセリンなど)について確認しておく必要があります。

●脳血管障害 
血栓を予防するために血液の流れを良くする薬を飲んでいる人の場合、手術時に血が止まりにくくなるリスクがありますので、手術時の対応について、内科の担当医に事前に確認をとっておく必要があります。また、発作の後遺症で運動麻痺が残って歯磨きが自分でできない場合には、インプラントがその後早期にダメになってしまう可能性が高いため、インプラントは向いていません。

●骨粗鬆症 
骨粗鬆症は骨の密度が低下するため、インプラントが骨にうまくくっつかないリスクがあります。また骨粗鬆症の治療薬であるビスフォスフォネート系薬剤を服用している人は、インプラントのような手術を受けると骨が壊死してしまう危険性があります。また、ステロイド薬を服用している人に起こる骨粗鬆症の場合も同様のリスクがあります。

●肝臓疾患 
肝機能障害があると、インプラント手術時に血が止まりにくくなることがあります。また、免疫能力が低下し、低タンパク血症によって治療した場所の治りが悪くなる場合もあり、インプラントを行う上でのリスクとなります。

●腎機能障害
腎機能障害があると、感染を起こしやすい、口の中が乾燥しやすい、治りが悪い、というようなことが起こりやすく、インプラントの成功に影響することがあります。また腎透析を受けていると、血中のカルシウム濃度が低下し、骨の質が悪くなってしまうことでインプラントと骨との結合がうまくいかなくなります。

●その他の全身疾患 
気管支喘息がある場合、手術後に出される鎮痛剤がリスクとなる場合があります。また、血友病、白血病のような出血のコントロールができない病気、免疫抑制が強い血液の病気の場合にはインプラント治療は行えません。関節リウマチ、シェーグレン症候群に代表される自己免疫疾患でステロイド薬が投与されている場合、感染を起こしやすく、インプラントが早期に脱落するリスクがあります。また、精神疾患などがあり、治療に対する理解や協力が得られない場合にもインプラントがうまくいきにくくなります。

■局所的な問題

局所的な問題

インプラントを埋めたい場所に骨が極端に少ない場合は治療が困難になる場合があります。また、重度の歯周病がある場合には、インプラント部分も歯周病細菌に感染してしまう場合があるため、注意が必要です。歯ぎしりや食いしばりがひどい場合には、インプラントの被せ物が早期に壊れてしまったり、インプラント自体がダメになってしまう危険性が高いためハイリスクと言えます。

このように、インプラント様々な原因により、行えない場合もあります。自分ができるかどうか不安な方は、お気軽に吉岡歯科医院にご相談ください。

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