インプラント治療は、土台となるインプラント体を顎の骨に埋め込まなければなりません.そのため埋め込むだけの骨の厚みや高さが必要な治療法です。顎の骨が痩せて少ない場合や骨が薄いといった理由で「この骨の厚さや量ではインプラント 治療はできない」と診断されることはよくあります。あごの骨がない場合には問題を解説する方法として、インプラントを行いたい部分に「骨造成」をするという方法があります。このページではアゴの骨が少ない方のための骨造成法についてどんな治療なのか?治療の流れやメリット・デメリットなども含め解説していきます。骨なくてインプラントを断られたという方はぜひ参考になさってください。ただ「骨を作る骨造成」という治療法はどの歯科医院でもできる治療法ではありません.
「骨造成」とは
インプラント治療は顎に十分な骨の厚みと高さが必要です。そこで、足りない顎の骨を増やすために行われる処置のことを骨造成といいます。この治療によって、インプラントを諦めずに治療を受けることができるのです。
どんな人が対象?
顎の骨が足りなくなる要素はいくつかあります。まずご高齢の方に多いのですが、長年の合わない入れ歯を無理に続けてこられ刺激を受けにくくなったため、顎の骨が痩せてしまうケース。もう一つは、重度の歯周病(歯槽膿漏)で顎の骨が解けてしまったことで歯を失ったケースです。他にも抜歯や脱落で歯が抜けたのにそのまま放置していた期間が長かった場合や、腫瘍などの影響で顎の骨の一部を失ってしまった場合など、インプラントを埋め込みたい場所の顎の骨が少ない場合は骨造成治療の対象となります。
骨造成は誰でも受けられる?
喫煙習慣のある方や全身疾患があり手術自体を受けられないといった方は、骨造成手術を受けられない場合もあります。喫煙はタバコに含まれる成分で血流が悪くなり、骨や周辺組織の結合や術部の傷の治りを妨げてしまいます。また、全身疾患をお持ちで観血的な外科手術を受けること自体が難しい方は、身体の負担も大きくなるので骨造成はもちろん、インプラント埋入手術も受けられない場合があります。ご希望の方は問診時に必ず状況をお話しいただきご相談ください。吉本歯科医院の医療安全
骨造成法の種類
全般的に行われるGBR法(骨誘導再生法)と、上顎に行う場合のサイナスフト(上顎洞底上術法)です。それぞれの方法を解説します。
GBR法(骨誘導再生法)
歯ぐきを切開し、インプラントする場所の顎の骨が不足している部分に自分の骨(自家骨)や人工的な骨(骨補填材)を充填し、人工膜で覆います。歯茎を閉じてその後数か月、顎の骨が再生・増骨される期間を置き、安定するのを待ちます。厚みや高さが安定したらインプラント埋入手術を行います。
上顎洞底上術(サイナスリフト)
骨が少なくても「サイナスリフト」という術式でインプラントを行うことができます。上顎歯槽骨が薄く、上顎洞が低い位置にある場合、上顎洞低を押し上げて骨を填入し、歯槽骨幅を確保します。
下記の写真をご覧ください(骨のない状態)。
骨がないため、骨が吸収し薄くなった状態がわかります。
サイナスリフト術により骨が増えた状態(ピンクの部分が骨が増えた状態)です。
患者さまの顎の骨の模型です。
患者さまの顎の骨の模型を円形に削ります。実際には骨に穴を開けていきます。骨と上顎洞(サイナス)の間には「シュナイダー膜」という膜があり、それを破らないように細心の注意を払いながら削っていきます。
当院では、5ミリの骨があれば埋入可能なインプラント体も採用していますので、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)を行う必要頻度は他のインプラント治療を行う歯科医院よりは少ないかもしれません。 当院において通常のインプラント手術は1時間以内で簡単に終了します。横を向いて埋まっている親知らずを抜くより簡単な手術です。しかし極端に骨量が少なく、皮質骨しかないような場合や5ミリの骨があっても骨質が柔らかい場合や、歯軋りやくいしばりがある場合はソケットリフトも成功しませんので、 香川県立中央病院や香川大学医学部附属病院の歯科口腔外科といった総合病院の歯科口腔外科にてサイナスリフト(上顎洞底挙上術)を行って頂きます。
骨造成法のメリット・デメリット
骨造成は骨がなくてインプラント治療ができないであろうと診断を受けた方であってもインプラント 治療を受ける可能性が広がる画期的な治療方法です。ただしインプラント治療同様に外科治療を行う必要があり、メリットだけでなくデメリットも含め治療内容について知っていただく必要がありです。
メリット
最大のメリットは、骨の厚みや強度を確保できることです.骨造成治療を受けることでインプラントができないであろうと判断されるほど骨が少ない人でもインプラント治療を受けることができるようになることです。これまで骨が少ないことで歯ぐきが痩せてバランスが悪かった歯茎が元の高さに戻るので、審美的回復も期待できます。
デメリット
通常のインプラント治療でも歯ぐきの切開や顎の骨の切削をするための外科処置は必要です.骨が少なく骨造成が必要な場合にはインプラント 治療のまえに同じような外科処置をすることになるため、2度の手術が必要となってきます。骨造成治療が終了し増骨し組織との結合や安定するまでの期間が必要です.その後インプラント治療となれば、完了までに長期間が必要です。
骨造成治療の流れ
- ①静脈鎮静麻酔
- 静脈鎮静麻酔を行い治療開始です。通常の歯科医院であれば局所麻酔のみ外科手術を行う場合がありますが当院では恐怖心や不安感,お痛みを感じないようにするため「静脈鎮静法」を行って治療を開始します.
- ②歯肉切開
- 骨造成を施す骨のある部分の歯ぐきを切開して露出させます。
- ③骨の切削
- 上顎洞に行うサイナスリフトの場合、骨を一部削り、上顎洞を覆っているシュナイダー膜という粘膜を露出させ剥がします。
- ④骨造成
- 骨が薄くなっている場所に、骨補填材を充填し人工膜で覆います。
- ⑤縫合
- 切開した歯ぐきを戻し、縫合して終了です。
- ⑥再生期間
- 骨が再生し安定するまで一定期間待ちます。骨が再性するまえの期間は個人差がありますがだいたいは2ケ月から半年の期間になります.認しましょう。その後インプラント埋入手術へと移ります。
- ⑦インプラント埋入手術を開始
- 骨造成により骨が再性し安定した段階に入ればインプラント 埋入手術を始めます.
まとめ
吉本歯科医院では、骨が薄い、厚みがない患者さまに対する数々の難症例の実績がございます。総合病院、大学病院からのご紹介の患者さまが多く、四国各地からインプラント治療にお越しになられております。ご相談にお越しになる患者さんの中には、「骨が薄くてインプラント治療は無理だと言われました」とおっしゃる方がいらっしゃいます。それは合わない入れ歯を長く使っていたり、歯槽膿漏が進行したりすると、骨は痩せ細ってしまうので、そのことが原因です。インプラント治療は歯を支える骨に埋入するものです。骨が厚く、丈夫であるに越したことはありません。しかし、日本人は西洋人と比べ総じて「骨は薄く、あまり丈夫ではない」という性質があります。通常のインプラントであれば、骨を作る手術を行ったりして骨を再生してからインプラントを埋める、ということができます。ただ、骨を再生するには一年か、それ以上お待ちいただく必要があります。それは骨を作る場所にもよりますが、3ケ月から1年以上もかかることもあります。そして骨が出来たところで、インプラントを埋める手術をすることができるのです。手術そのものも非常に大変で、患者さまのお体にも負担がかかってしまいます。しかし、オールオンフォーインプラントは、インプラントの位置や角度を綿密に計算した上で、できるだけ骨質がよく、骨の厚みのあるところに埋めるため、骨移植や骨増生をなるべくせずに済むようになりました。顎の骨は、前歯に近い部分の骨が硬く、奥歯の部分は柔らかいという性質があります。インプラントは硬い骨に埋めるほうがしっかりと骨と結合します。これまでのインプラント治療は、インプラントをまっすぐに埋めていましたが、ワンデイインプラントは骨の硬い部分に、斜めに埋めます。同じ骨の量でも、斜めに埋めればそれだけ量を確保することが可能です。またどうしても骨増生が必要な場合でも、大掛かりなものではなく、インプラント手術と同時に行う程度の処置ですみます.骨がなくてインプラント を断られたという方はまずはお気軽に吉本歯科医院にご相談ください.インプラントに必要な骨量の診断や骨造成が可能なケースなのかどうか?詳しくお伝えさせていただきます.
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