- 1. インプラント治療とは?
- 2. 歯が抜けたままにしておく危険性
- 2.1. 危険性①かみ合わせが崩れる
- 2.2. 危険性② 歯茎や顎の骨が痩せる
- 3. インプラントは入れ歯とどう違う?
- 3.1. 入れ歯は顎の骨が痩せるが、インプラントは顎の骨が痩せない
- 3.2. 噛める力が違う
- 4. インプラントはブリッジとどう違う?
- 4.1. ブリッジは健康な歯を削る必要があるが、インプラントは削らない
- 5. ブリッジは寿命が短いが、インプラントは長く使える
- 6. インプラント長所と短所のまとめ
- 6.1. 長所
- 6.1.1. しっかり噛める
- 6.1.2. 他の歯に負担がかからない
- 6.1.3. 顎の骨が痩せにくい
- 6.1.4. 自然な見た目になる
- 6.2. 短所
- 6.2.1. 外科手術が必要になる
- 6.2.2. 治療期間が長い
- 6.2.3. 費用負担が大きい
- 7. インプラント治療の費用について
- 8. まとめ
虫歯の悪化や歯周病の進行、歯の破折などにより抜歯となり歯を失ってしまった場合、その後どんな治療があるのか?と思われますよね。歯を失った場合、どの治療を選択する場合にも最も重要なことは実は「咬み合わせ」です。残った歯の本数によっても選ぶ治療法は変わってきます。インプラント治療が一番良い治療法とは限りません。歯を失った場合には3つの治療法があります。入れ歯治療、インプラント治療、ブリッジ治療。また、何もしないという方法もあります。失った歯を補うためのそれぞれの方法の長所と短所をお話させて頂きます。
インプラント治療とは?
むし歯や歯周病、ケガなどで歯を失ってしまったら、歯の機能を補ってやる必要があります。失った歯を補う治療の選択肢としては従来、入れ歯(義歯)やブリッジが一般的でした。しかしここ最近は「インプラント治療」を選択肢の中に入れる方は増えてきました。インプラント治療は、歯を失った部分の顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め込み、その上に人工歯(上部構造)を被せることで歯の機能と見た目を取り戻す治療法です。
インプラントに使われる素材は主にチタンという材質です。純チタンは骨組織と結合する性質があるため、インプラント埋入後は6週間ほどで顎の骨にしっかりと固定されます。インプラントと骨が結合する期間は術式やメーカーよって異なります。ただし、一定以上の顎の骨の幅・高さが必要になり、骨の量が足りない(骨が薄い)場合はインプラント治療はおこなえません。重度の歯周病の方や埋入する部位によっては、インプラント治療をするために必要な骨の量が足りないケースがあります。その場合は、インプラント治療の前にGBR法(骨誘導再生法)のように骨の再生を促す治療が必要になります。骨がない方でもインプラントができる方法
インプラントは、「ほぼ自分の歯に近い感覚で噛める」「見た目がきれい」「他の歯に負担をかけない」など、強度・耐久性・審美性の観点からも非常に優れた治療法です。そのため失った歯を補う治療としては、全身病などがない場合には第一選択と考えて良いと思います。インプラント治療は患者さんご自身の毎日の丁寧な歯磨きに加え、インプラント 専門の歯科医院での定期的なインプラントメンテナンスを受けることで長期にわたって使い続けることができます。
歯が抜けたままにしておく危険性
虫歯や歯周病で歯を失ってしまったままにしておくと2つの大きな危険性が生じます。
危険性①かみ合わせが崩れる
私たちの口の中には親知らず上下4本を除くと28本の歯があります。28本もあるんだから1本くらい抜けても大丈夫でしょう?と思われる方は非常に多いです。しかし実は奥歯1本を失うだけで噛む力は大きく低下します。歯にはそれぞれ1本1本役割が違います。奥歯は大黒柱のような役目をします。奥歯の歯の根をご覧になったことがあるでしょうか?奥歯はこのように足が3本しっかりあるんですね。しかし、前歯には足が1本しかありません。
多くの方は奥歯から歯を失っていきます。奥歯はいわゆる6番目7番目の歯という言い方をします。そのうちの1本は6歳臼歯といい6歳頃に生えてくる歯のことです。この奥歯ものすごい役割をします。家で言うと大黒柱。家庭で言うと一家の稼ぎ頭。お父さんです。奥歯は自力で支えることができる構造になっています。これに対して前歯は、根っこは1本しかありません。ですのでもともと力を支えるような構造にはなっていないんですね。奥歯を失うと噛む力は大きく低下します。しかし、奥歯を失っても今まで通り普通に噛んでしまいます。そうなるとどんどんその負担は他の歯にやってきます。そうやって奥歯を失うとドミノ倒しのように他の歯に負担がかかりダメになっていくわけです。どこの歯を失ったのか?何本失ったのか?によって選ぶ治療法は変わってくるのです。
危険性② 歯茎や顎の骨が痩せる
歯がある状態であれば、「物を噛む」ことで顎の骨に適度な刺激が伝わるため、顎の骨が活性化されます。しかし、歯が抜けてしまうと噛む刺激が伝わりにくくなるため、歯茎や顎の骨が徐々に痩せていくのです。
口腔内でこのような不具合が起きる前に、インプラントなどの治療で失った歯を補う必要があります。
インプラントは入れ歯とどう違う?
入れ歯は、失った歯の機能を回復するために用いる取り外しのできる装置を用いた治療です。一方、インプラントは、失った歯の機能を回復するために顎の骨に人工歯根を埋め込む治療です。
入れ歯は顎の骨が痩せるが、インプラントは顎の骨が痩せない
歯が抜けると、歯を支える歯槽骨や歯茎は少しずつ痩せていきます。インプラントは顎の骨に直接、人工歯根を埋め込む治療です。私たちは、歯で「物を噛む」ことで顎全体を適度に刺激しているため、インプラント埋入後も健康な口腔内環境を維持できていれば骨が痩せることはありません。インプラントは感染を起こさない限り、顎の骨を維持できるのが最大の長所です。これに対し、入れ歯は、噛むたびに入れ歯全体が常に動きます。横揺れの力が大きくかかるため、釘抜きのように他の残っている歯も揺れて抜けてしまうことがあります。また適度な刺激が歯茎の内部へ伝わらないことで顎の骨はさらに痩せてしまいます。
噛める力が違う
入れ歯とインプラントでは噛める力はまったく違います。インプラントはご自身の歯に近い感覚で噛むことができます。しかし入れ歯はしっかり噛むことができません。もともと噛めるほどの強度がないため無理に噛んでいると今度は入れ歯の下の歯茎は歯茎の下に控えているアゴの骨がどんどん吸収され痩せていきます。入れ歯は天然歯に比べて噛む力が弱く、堅い物を食べるときなどに不自由を感じることがはよくあります。一方、インプラントは顎の骨にしっかりと固定されるため、天然歯とほぼ同様の力で噛むことが出来ます。よく噛んで食事を楽しめるのは、インプラントの大きな長所です。
インプラントはブリッジとどう違う?
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って支柱とし、「橋」をかけるようなイメージで人工の歯を被せることで欠損部を補う治療法です。
ブリッジは健康な歯を削る必要があるが、インプラントは削らない
ブリッジ治療の最大の短所は、失った歯の両隣の健康な歯を大きく削り取る必要があるということです。歯は削ることで、歯の神経に近くなります。歯の神経近くまで削ってしまい痛みが出た時点でその歯の神経は抜かなくてはいけません。神経を抜いた歯の寿命は一気におちます。当然、歯の寿命が短くなってしまいます。たとえば、むし歯は細菌が作り出す酸によって歯が溶かされていく病気ですが、進行してむし歯が深くなるほど、それだけ歯を削る範囲も大きくなります。神経がむし歯に侵されてしまうと歯の内部に感染を起こし、やがて歯の根の先に膿が溜まり痛みをともなう病気(根尖性歯周炎)を引き起こします。そうなると、感染した神経を取り除かなくてはいけません(抜髄)。歯の神経を抜いてしまうと歯に栄養が行き届かなくなりますし、削ったことで歯自体が薄くなっているため、歯の根の骨折(歯根破折)を起こしやすくなります。歯根破折を起こしてしまうと、抜歯に至る可能性が非常に高くなります。歯の神経を取った歯は寿命が落ちる
ブリッジは寿命が短いが、インプラントは長く使える
1本の欠損を補うブリッジの場合、通常なら3本の歯で受け止める力を、土台にする2本の歯で支えなければいけません。2本の欠損を補うブリッジであれば、4本で受け止めるべき力を土台にする2本の歯で支える必要があります。このように、ブリッジは支えにする歯に大きな負担がかかることから、本来は健康だった両隣の歯の寿命が縮まってしまうリスクがあります。一方、インプラントは、毎日の正しいブラッシングと歯科医院での定期的なメンテナンスによってインプラント周囲炎(インプラントに生じる歯周病)を予防できれば、長期にわたって使い続けることができます。
インプラント長所と短所のまとめ
長所
しっかり噛める
インプラント治療では人工歯根(インプラント)が顎の骨にしっかりと固定されるため、天然歯と同様の力でしっかり噛めるようになります。
他の歯に負担がかからない
インプラントは顎の骨に直接埋入するものなので、ブリッジや部分入れ歯のように、まわりの健康な歯に負担をかけることがありません。
顎の骨が痩せにくい
インプラントは顎の骨に直接埋入するものなので、歯で「物を噛む」という力が顎の骨に直接伝わります。顎の骨が活性化されるため、入れ歯やブリッジに比べて顎の骨が痩せにくいです。
自然な見た目になる
インプラントに被せる人工歯(上部構造)の素材には、セラミックやジルコニアなどがあります。いずれも見た目は天然歯に近い素材です。特にジルコニアは、審美性だけでなく耐久性も兼ね備えた素材です。
短所
外科手術が必要になる
インプラント治療では、顎の骨に人工歯根(インプラント)を埋入します。そのため、歯茎を切開し、顎の骨に穴をあけるなど外科処置が必要になります。
治療期間が長い
インプラント治療では、人工歯根を支えるのに必要な顎の骨が足りないケースが往々にしてあります。その場合、インプラント治療の前に骨を造る治療(GBR法)が必要になり、骨が再生するまでに時間を要します。
費用負担が大きい
インプラント治療には健康保険が適用されません。自由診療になるため、入れ歯やブリッジに比べると費用負担が大きくなります。
インプラント治療の費用について
インプラント治療は「費用が高い」ということがお悩みの1つとして挙げられます。インプラント治療には健康保険が適用されないため、治療費の全額が患者さまの自己負担となる治療法です。保険が適用される入れ歯やブリッジの費用に比べると、インプラントはどうしても高額になります。しかし、できるだけ長く健康な状態を維持するためにインプラント治療は、失った歯を補う治療としては欠かせない治療法です。たとえば、入れ歯は数年使っていると歯を支える歯槽骨や顎の骨、そして歯茎が痩せ、徐々に合わなくなり、調整や再製作といった手間と費用が生じます。ブリッジは数年使っていると、失った歯を支えるために土台となった両隣の歯に多くの負担がかかったことで、再治療を要するケースも少なくありません。3つの治療法を比較しても、インプラントは正しいブラッシングと、歯科医院での定期的なメンテナンスを受けることで長期にわたって使い続けることが可能です。インプラント治療は保険適用外となるため高額になりがちですが、長期的に考えればとてもメリットの大きい治療法だと言えます。インプラント治療が高額な理由
まとめ
歯が一本も無い場合、取り外し式の「入れ歯」で噛めるか?美味しく食事ができるのか?と問われると、どれだけ調子が良い「入れ歯」であっても、ご自身の歯があった時のようには噛めないの現状です。例えば私たち人間が肉を噛み切るには65kg程度の力が必要です。しかし、取り外し式の「入れ歯」 では15kg程度の力で顎堤が痛くなってしまいとても噛めないのです。これに対して例えばインプラントを使用したAll-on-4Ⓡではご自身の歯の時の感覚と同じように普通に噛むことができ食事に不自由は無くなります。歯を失ってしまったとしても今までと同じようにお食事を楽しむことができるようになります。平均寿命がのび続けている日本で、注目されている言葉が「健康寿命」です。歯がないことは食事が不自由なだけで無く、健康寿命に大きく関わっています。健康寿命とは、簡単にいえば「健康に過ごす期間」のことです。継続的な介護や支援を必要とせずに日常生活を送れる期間を指しています。
日本人の平均寿命は長いですが、死ぬ前の10年間はボケや痴呆、寝たきりなどで、決して快適な人生を送っている訳では無いのが実情です。平均寿命と健康寿命の差である「不健康な期間」は、現在男性で約9年、女性では約12年です。この期間の短縮に大きく影響するのが、口腔機能であることがわかっています。「噛むこと」「飲み込むこと」「会話をすること」に代表されるお口に関係する機能は、全身の健康にもつながっています。咀嚼能力の低下は、しっかりと食べ物を噛めないことから、消化器に負担をかけます。そればかりか脳の活動低下をもたらし、認知症の発症や重症化に影響しているとされています。インプラント治療をおこなうためには、歯周病など現状の状態に対する専門的な知識とCT画像から正しく骨の量を見極められるか、そしてかみ合わせをキチンとできるということがとても重要です。吉本歯科医院では、レントゲンだけでなく、CTスキャンを併用した診察を実施しております。インプラント治療の豊富な経験を持つ院長吉本彰夫が、ご来院いただいた患者様にとって最適な治療計画とお見積りをご提案いたします。治療のお申し込みは、一度ご帰宅いただき、ゆっくりご検討の上、ご納得いただいた後ご依頼ください。
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