インプラントを受けている方の他の歯の治療はかみあわせに注意が必要|高松市のインプラント治療なら吉本歯科医院

インプラントが1本でも入っている場合は、他の歯を治療する時には特別な注意が必要です。過去に他の医院さんでインプラント治療をお受けになり、お口の中にインプラントが入っている方がご相談にお越しになることはよくあります。被せ物が取れたのでつけて欲しい。インプラントを入れたところが、腫れて痛いので治療して欲しい。インプラントを入れた部分があるが、反対側に虫歯ができているところを治療して欲しい。インプラントを入れているが、噛み合わせの点検をして欲しい。インプラントをした部分の被せ物が外れてしまったのでつけて欲しい。過去にインプラント治療を中断したまま放置している、腫れてきたので治療をして欲しい。

インプラントのネジが外れた。インプラントのネジが折れた。インプラントを入れた後、顎が痛い。インプラントを入れた後、頭痛がする。片方だけ奥歯にインプラントを入れたが反対側も抜けそうなので治療して欲しい。10年前に比べると急増したご相談内容です。患者さんによっては「え?インプラントは順調ですが全然関係ない反対側の歯が痛いんですけど・・・」とおっしゃられます。また人によってはインプラント治療を終えられた後もう何年もメインテナンスを受診していない、という方もいらっしゃいます。人によってはインプラント治療は専門の医院さんでしてもらって小さな虫歯治療は、近所の歯医者さんで簡単に済ましているという方もいらっしゃいました。これは大変危険です。危険である、ということをまずご存知ない方がとても多いのです。詳しくお話します。

口の中は分業できない

インプラントはインプラント。虫歯治療は虫歯治療。と、分業すれば問題ないとお考えです。しかし、少し冷静に考えてみて頂きたいのです。
お口の中の話です。あなたのお口の中はわけて考えることができる存在でしょうか?右、左、上、下、前歯、奥歯と分けて考えることができますでしょうか?全部の多くの歯でお互いを上下左右に支え合っていますよね?前歯だけが崩れるのではないのです。奥歯から前方へ順に倒れて崩れていくわけです。

建物の構造をイメージしてみて下さい。西側の柱は木造で、東側の柱は鉄筋で1階部分は木造で2階部分は鉄筋で、とわけて考えますか?建物を建てる土地は元々は沼地で地盤が柔らかいけど見えないから、見える部分の上の建物はしっかり鉄筋コンクリートでお願いしますとは、絶対にならないですよね?丈夫な地盤が必要なんです。あなたのお口の中は上下左右で絶妙なバランスを取って一体として成り立っています。右が傾けばつながっている前も左も傾くのです。左を触れば(治療すれば)右の歯に影響が出るのです。左の柱が傾けば右の柱も同じように傾いていくのです。お口の中とは、そういうものです。

みなさんは聞かれたことはありませんか?右足を骨折したら右の奥歯が割れた。右アゴが痛くなった。というような一見まったく関係ないと思われるような話を。口の中の上下左右というだけでなく口は全身とも繋がっています。

右足をかばうことで右の歯やアゴに過剰な負担をかけてしまうのです。分けて考えて部品のように分業でいじることは危険なのです。決して分けて考えることはできないものなのです。分業すると必ず歪(いびつ)な部分が出てきます。鏡の前でお口を開けた時、歯が並んでいることは肉眼で見ることはできます。しかし、歯茎の中にある歯の根っこや骨までは肉眼では見えません。もし、見えてるならすぐに「ああ、歯ってこうなってるんだ」とおわかりになると思います。歯やアゴは全身のバランスを保つ重要な器官です。

下顎は全身バランスを取る重要な器官

あなたの下顎(したあご)は全身バランスを司る重要な振り子の器官です。下の顎は振り子のようにぶらーんぶらーんと右へ左へと自由に動ける存在です。あなたの下のアゴは超高層ビルの風揺れ対策の振り子の錘(おもり)のような存在なのです。

歯の噛み合わせというのは地盤である顎(アゴ)骨の状態から考えなくてはなりません。①②③④すべてからみていく必要があります。

上顎と下顎の違い

たとえばガイコツ模型で上の歯はこうなっています。

上側の歯って実は動かないんです。上の歯と上の顎は頭蓋骨と一体化している存在です。上の歯と顎と頭蓋骨はくっついているんです。頭蓋骨が傾いた時に一緒にその角度に合わせてくっついたまま動くのです。上の歯や上の顎が単独で頭蓋骨からどこか別の方向へ動いてしまうということはないのです。

それに対して下顎というのは頭から筋肉でもって下の歯は下顎と一体化した状態でぶら下がっているだけなんです。前にも後ろにも右にも左にも上下にもぶらんぶらんと360度振り子のように自由に動けるようになっている。これが下の顎です。下顎は振り子のような存在になっているんです。

体の動きに対して体の重心を微調整する「振り子」のような役目をします。綱渡りをする時、長い棒を持ってバランスを取って歩きますよね?あの長い棒の役目をするのが下の顎なんです。

下顎の位置やバランスがおかしいと全身のバランスを崩してしまうということが起こるんです。

噛み合わせを無視した治療は危険

インプラントがお口の中に入っている方が、まったく違う部分が虫歯や歯周病に侵され治療が必要となった時、噛み合わせを無視した歯科治療をしてしまうと、大変危険です。簡単に壊れてしまいます。ご自身の歯も治療した後に被せたかぶせ物や詰め物もブリッジも、インプラントも、入れ歯も噛むための道具にすぎません。道具の本来の使い方を無視した使い方をすれば必ず壊れるのです。インプラントと自分自身の歯では決定的に違うことがあります。それはインプラントは動かないということです。これに対し自分の歯は一生動き続けます。それに対してインプラントはまったく動きません。1ミリも動きません。インプラントは骨にしっかりと埋めこめられ硬く固定されているものです。硬いものと柔らかいものがぶつかれば当然、柔らかいものが壊れます。ここで私が言う「柔らかいもの」とは、ご自分の歯のことです。インプラントが口の中に入ったがために、インプラントというネジががっちり骨に埋め込まれたがためにインプラントがかみ合う相手の歯や隣り合う歯たちがどんどん破壊されていくのです。

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なんだか被せ物がすぐ割れるなあ
なんだか反対側の歯が痛くなるなあ
なんだかやけに神経の治療をする歯が増えてきたなあ

口の中に症状が出た時ほとんどの方は「歯磨きが足りなかったからだろう」「口の中にバイ菌がいるからだろう」そう思われています。しかし、歯が痛くなった原因は細菌だけでは、ないのです。

インプラントは動かない、自分の歯は一生動き続ける

過剰な力で歯が折れたり過剰な力で歯が欠けたり過剰な力で歯にひびが入ったり過剰な力で被せ物が何度も外れるもうひとつの原因はかみあわせ、力です。かみあわせを無視し
痛くなった歯にどんな治療を繰り返したとしても歯をどんどん失うことになってしまうのです。インプラントが1本でもお口に入っている方はどうか知っておいて下さい。あなたの口の中に入っているインプラントは骨にしっかり固定され動かないものである、と。そしてインプラント以外のご自分の歯は一生動き続けているものである、と。

動くものと動かないものが、お口の中で共存している状態であるということを。インプラントをしていない方のお口の状態とはまったく条件が違うのです。残っている歯をさらに失わなせないようにするためには特殊な考え方が必要です。

全部の歯を失った方で全部の歯がインプラントなんだという方は意外にトラブルは少ないのです。

2~3本インプラントを入れている方がトラブルが起こりやすい

トラブルが起こりやすいのは2~3本インプラントを入れている方の場合です。もしインプラントを入れた歯以外の歯がダメになった時にどうするのか?ということをしっかりと考えてからインプラント治療を受けないと、後で大変なことが起こってしまうのです。今さえ良ければいいという考えではダメなのです。必ず将来後悔することになってしまいます。インプラント治療の時に将来、他の歯がダメになった時にどのようにするか?もし、将来、介護される立場になった時に簡単に外すことができるのか?というところまで治療計画を立てておく必要があるのです。そして何よりも大事なことは残っている歯がダメにならないようにするためにどういうことをしないといけないのかを知って頂くことが大事です。インプラントが1本でもお口の中に入っている方は、他の歯の治療をする場合には特別な注意が必要です。

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