歯医者に行くのが怖くて歯医者に行くのを避けているうちに、だんだん歯がボロボロになってしまった、という人もいるのではないでしょうか。そのような人にとって、歯医者で手術を伴うインプラント治療を受けるというのは、非常にハードルの高いことに感じられるかもしれません。ですが最近では、歯の治療も昔に比べて随分痛みを伴わずにできるようになってきていますし、歯科治療時の不安や緊張を取り除く方法というのもあります。早速見ていきましょう。
なぜ歯科恐怖症になってしまうのか
吉本歯科医院でも歯科恐怖症の人は時々いらっしゃいます。ほとんどの人にとって歯医者というのは「怖いところ、不安になるところ」であるのが普通ですが、歯科恐怖症の人の場合はその程度が普通の人よりも強く、通常の治療でさえ非常に困難になってしまっています。歯科恐怖症になってしまう理由としては、過去に歯医者で非常に痛い思い、嫌な思いをしたことがトラウマになってしまっている、ということが挙げられます。歯医者の匂いを嗅いだだけで気分が悪くなってしまう人もいますし、口の中に少し器具を入れただけで吐き気を催してしまったり、動悸や過呼吸、脳貧血を起こしてしまう場合もあります。このような状態では、とても治療どころではありませんし、患者さん本人もますます億劫になり、また歯医者から足が遠のくということになってしまいます。
最近の歯科治療は痛みを感じさせない工夫がたくさん
最近の歯科医院は、昔の歯医者と違って、患者さんにいかに痛みや不安を感じさせないか、という工夫をしているところが多くなってきています。まず、かつてよくあった「いかにも歯医者の匂い」という薬品も減ってきていますし、麻酔の注射ひとつにしても、麻酔の針が昔より細くなっていたり、痛みを感じさせない電動麻酔器を使用したり、注射の麻酔に表面麻酔を施したりなど、なるべく痛みを感じさせずに麻酔を打つことが可能になってきています。麻酔の注射が怖いという人は意外と多いですから、これだけでも随分歯医者への恐怖心が和らいでくるものです。
インプラント治療はほとんど痛みを感じることはありません
インプラントはインプラント体(人工歯根)を埋める際に、手術を必要とします。手術という言葉を聞くと途端に怖くなってしまうかもしれませんが、実際麻酔が効いてしまえば、痛みを感じることは全くと言っていいほどありません。麻酔は一度打てば2、3時間は切れることはありません。インプラントを埋め込む手術自体はかかっても数十分くらいと、それほど時間もかかりませんので、麻酔が切れる前には十分手術は終わっていることでしょう。
インプラント手術後の痛み・腫れ対策
インプラント手術が終わった後、麻酔が切れると痛みは出てきますが、これに対しても麻酔が切れる前に痛み止めを飲んでおけば痛みに苦しむことはほとんどないと言っていいでしょう。インプラント手術後の腫れが怖いと思っている人もいると思いますが、こちらは手術をした後の反応で起こるものですので、通常はある程度は起こってくるものです。ですが、処方された抗生剤をきちんと飲み、注意事項を守って入ればちゃんと治ってきますので、心配はいりません。
より不安の強い方には静脈内鎮静法がオススメ
歯医者のチェアーに座っただけでドキドキしてしまう、というような非常に恐怖心の強い人の場合、あまりの緊張から、麻酔をしただけで気分が悪くなってしまったり、麻酔をしようとするだけで吐き気を催してしまう場合もあります。インプラントの場合、手術を始めてからそのような事態に陥ってしまうと、手術そのものを中断せざるを得ない場合もあります。このような場合には、鎮静薬を点滴しながら、半分眠ったような状態で非常にリラックスしながら治療が受けられる「静脈内鎮静法」という方法があります。
この静脈内鎮静法は特に次のような人にオススメです。
静脈内鎮静法がオススメなのはこんな人
●歯科治療に対する恐怖心が強い人
●歯医者で口に器具が入るとオエッとなってしまう人
●歯科治療中に気分が悪くなりやすい人
●高血圧、心臓疾患などの全身疾患がある人
●インプラントを多数受ける場合や骨造成などの手術を受ける場合
静脈内鎮静法を受けているときは、ウトウトと眠ったような状態になり、手術が終わった後は手術中のことについてあまり覚えていません。しかし、全身麻酔とは違い、完全に意識がなくなることはありませんし、血圧計や心電図などの生体情報モニターをつけ、全身管理をしながら手術を行いますので、そのまま意識がなくなったりする心配もありません。もちろん入院をする必要もありません。インプラント手術後は、1〜2時間ほど完全に麻酔から覚めるのを待ち、血圧、心拍数、呼吸などに問題がなく、ふらつきがなく、正常な受け答えができるようになれば、帰宅することが可能になります。