歯科コラム

歯ぐきから膿が出てきたと聞くと、大半の人は歯槽膿漏によるものと思うでしょう。しかし歯ぐきから膿が出る原因はそれだけではなく、インプラントの施術後に膿が出ることがあります。インプラント施術後に膿が出た場合の原因と、対処法についてご説明します。

歯ぐきから膿が出る原因とは

歯ぐきから膿が出る原因とは

例えば皮膚をケガした場合、ひどくなると化膿して膿が出ることがあります。膿が出るということは、何らかの細菌に感染し、炎症が起きていることを意味します。口腔内でも同じことが言えます。口腔内において膿が出る場合、考えられることとして歯周病の悪化(歯槽膿漏)、根の先に膿が溜まる根尖病巣、親知らずの周りの炎症などが考えられ、いずれも細菌感染による炎症が原因です。そしてインプラント治療を行った方は、インプラント施術後の感染症として膿が出ることがあります。


なぜインプラント施術後に膿が出るのか

インプラント施術後に膿が出るということは、インプラント周囲に雑菌が付着して炎症が起きていることから、細菌感染が疑われます。ではなぜ細菌に感染してしまうのでしょうか。

■インプラント体に細菌が付着する場合


インプラントは外科手術を行うため、少なからず出血を伴います。ここでインプラントの傷口に細菌感染すると、その部分に炎症が起きて膿が溜まってしまうことがあります。

細菌感染と聞くと、衛生状態があまり良くないイメージを持つでしょう。しかしインプラント手術は細菌感染対策が何よりも大切なため、どこの歯科医院でも衛生面には非常に気を遣っています。器具も完全に滅菌をしたものを使用し、使い捨てできるものは使い捨てを利用します。また手術中は細菌感染しないよう、消毒を行いながら感染対策を行っており、ほぼどこの歯科医院でも衛生管理は万全です。

しかしインプラント施術後に膿が出るということは、何らかの理由で細菌が付着し、炎症が起きていることになります。インプラントと顎の骨の間に起きた細菌感染、あるいはインプラントの近くにある組織の細菌感染が考えられます。

また稀に、抜歯直後にインプラント体を挿入する即時負荷の場合、抜歯部分の奥深くに細菌が潜んでおり、細菌が残ったままインプラント体を埋入することで、後に炎症が起きてしまうことが可能性として考えられます。

抜歯後は必ず洗浄して血液や雑菌を洗い流し、患部を清潔にします。インプラントに関係のない、通常の抜歯の場合は抜いた部分の歯ぐきが露出しているため、口腔内の雑菌が抜歯後の穴に閉じ込められることはありません。

しかし即時負荷の場合、抜歯直後にインプラント体と仮歯を同時に入れてしまうため、万が一抜歯部分に細菌が残っていた場合、細菌を閉じ込めてしまうことになります。そのため炎症が起きて膿が溜まってしまうということに繋がると思われます。

■メンテナンス不足で細菌が付着する場合


インプラントを入れた部分から膿が出るもうひとつの理由は、メンテナンス不足による口腔内不衛生状態による細菌感染です。インプラント施術後に問題はなく、その後のケアに問題がある場合に起こるトラブルです。インプラント治療後は定期的なメンテナンスが最も大切です。

毎日のセルフケアに加えて、歯科医院が指定する期間で定期的なメンテナンスを受けることで、インプラントや口腔内に問題はないかを確認し、家庭では落とし切れない汚れを取り除きます。

しかしこのメンテナンスを怠ると口腔内が不衛生になり、インプラント周囲炎などによる細菌感染により膿が出てしまうことがあります。細菌感染を防ぐためにもセルフケアをしっかりと行い、メンテナンスを必ず受けるようにしましょう。


膿が出たときの対処法

膿が出たときの対処法

もしインプラント部分から膿が出たときはそのままにせず、歯科医院で適切な対処が必要です。できる限り早く歯科医院へ行き、処置を受けることが炎症を最小限に抑えるポイントです。

■歯科医院できちんと治療を受ける


歯ぐきから膿が出る原因は様々ですが、歯ぐきからの膿は、基本的に自然治癒しません。特にインプラント治療後に膿が出てきてしまった場合、そのままにしておくことで炎症が酷くなりがちです。最悪の場合インプラントがきちんと骨に結合せず、インプラント体を取り出すことになってしまうかもしれません。

痛みを伴っていなくても、細菌感染による炎症は適切な対処が必要です。症状が軽い間なら、洗浄と消毒を繰り返すことで改善されていきます。早めに歯科医院を受診し、炎症が酷くならないようにすることが大切です。

■家庭での対処法


すぐに歯科医院へ行けない場合は、とにかく口腔内を清潔に保ってことが大切です。炎症を起こしている部分は痛みを伴う場合が多いため、可能な範囲でブラッシングを行います。

うがい薬やデンタルリンスなどを使用するのも良いでしょう。しかし中には刺激が強いものもあります。デンタルリンスを使う場合は、低刺激でマイルドなものを選ぶほうが良いでしょう。

また、熱いものや辛い物など、刺激のあるものはなるべく控えるようにして過ごし、できるだけ早く受診するようにしてください。


きちんとケアをして、口腔内を清潔に保つこと

インプラント治療後に必要なことは、口腔内を清潔に保つことと定期的なメンテナンスを受けることです。きちんとケアをしていることで、細菌感染を防ぐことができること、またインプラントを長持ちさせて快適に使用することができます。

ケアをきちんと行い、もし違和感や膿が出てきたなどの症状が出た場合、速やかに歯科医院を受診するようにして下さい。

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