歯科コラム

インプラントは、歯を失った顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に被せ物をする治療法です。インプラントは成功率が高い治療で、患者さんの満足度も高いことから、次々に歯科医院が新しく取り入れていっています。このように、一昔前では限られた歯科医院でしか受けられなかったインプラント治療ですが、今現在では受けられる歯科医院が増えて、患者さんとしてもインプラントが身近なものとなり、大変便利になったと言えるでしょう。ですが、どんな治療にも100%ということはあり得ません。成功率が高いインプラントではありますが、中には「失敗」と呼ばれるような結果に終わることもあります。

インプラント治療の成功率は95%以上とされており、非常に高い成功率と言えます。ですが、数少ない失敗例として、次のようなものが挙げられます。

インプラントのお手入れの不備による失敗

インプラントのお手入れの不備による失敗

■インプラント周囲炎

インプラントは人工物なので、そのものが虫歯になるということはありませんが、顎の骨という生体に埋め込んでいる性質上、インプラントと埋め込んでいる組織との間から感染が起こることがあります。つまり天然歯に例えると「虫歯にはならないが、歯周病にはかかってしまう」ということが言えます。そのため、「人工物だから悪くならない」と思って歯磨きや歯科医院でのクリーニングを怠っていると、たちまち歯周病細菌が感染して、インプラントの歯周病とも言える「インプラント周囲炎」 にかかり、骨を失ってインプラントが抜け落ちてしまいます。

また、インプラントはタバコと非常に相性が悪く、ヘビースモーカーであればあるほど、インプラント周囲炎にかかって早くインプラントがダメになってしまうため、喫煙する人は特に注意が必要です。

■被せ物のトラブル

インプラントの上にかぶせてあるセラミックが欠けてしまったり、外れてしまう、というようなトラブルが起こることもあります。この原因として、定期的な噛み合わせの調整を怠った、ひどい歯ぎしりがあるのに夜間にマウスピースをしていなかった、というような噛み合わせの過剰負担が挙げられます。

手術中の失敗

■手術時に大事な血管・神経を傷つけた

インプラント手術を行う際に、下顎の骨の中に入っている大きな血管や神経を傷つけて大量出血が起こったり、顔に痺れや麻痺が残るケースも稀にあります。一昔前までは歯科用のパノラマレントゲンと呼ばれる、顎全体の状態を大まかに見ることができるレントゲンの情報だけを頼りに手術を行っている歯科医院がほとんどでした。しかし、このレントゲンでは2次元的(平面的)な状態しか知ることができず、血管や神経も大きなものしか見ることができないため、誤って血管や神経を傷つけてしまうことがありました。

しかし現在では歯科用CTを撮り、血管や神経の位置や骨の形を立体的(3次元的)に正確に把握した上で手術を行う、という方法をとる歯科医院が増えてきたため、、このような事故は減ってきています。

■骨を貫通したり、上顎洞に穴を開けた

こちらもCT撮影を行わない場合に起こりやすい事故です。レントゲン上で骨の上下的な幅があるように見えても、前後左右的な幅はわからないため、インプラントが骨を突き出てしまったり、上顎にある鼻腔からつながる副鼻腔の一つである上顎洞に突き抜けてしまったり、というような事故が起こる場合があります。しかしこちらもCT撮影を行い、しっかりと事前に確認を行うことで回避できます。

■院内で感染が起こった

インプラント手術を行う際は、手術部位に感染を起こさないよう、細心の注意が必要になります。感染対策がしっかりとできていない歯科医院だと、手術部位に細菌感染を起こし、うまくインプラントが骨にくっつかない、というようなことが起こる可能性があります。

歯科医師と患者さんのコミュニケーション不足による失敗

歯科医師と患者さんのコミュニケーション不足による失敗

■見た目が思っていたものと違った

前歯で時々見られるトラブルです。患者さんは天然歯と変わらない見た目になることを期待しますが、実際に思っていたのと違う結果になってしまうこともあります。特に前歯で歯を複数本失ってしばらく経っている場合などは、顎の骨が大きく痩せてしまっていることも珍しくありません。顎の骨が痩せてしまっていると、唇のハリなども失われてしまうため、インプラントをしても思ったほど若々しい見た目にならないことがあります。このような、歯科医師が予測する結果と患者さんの抱いているイメージが違いすぎると、たとえインプラントがきちんと「噛む」という機能を果たすとしても、それは「失敗」というようになってしまいます。

■ものが挟まる・舌を噛むなど

歯を失ってしばらく経ち、ボリュームが減ってしまった顎の骨にインプラントを埋める場合、歯が存在していた頃の骨や歯茎の状態ではなくなっています。そのため、その部分にインプラントを埋めても、健康な時と全く同じ状態のようにすることはできません。つまり、インプラントを埋めて人工歯をかぶせ、食べることはできるけれども、歯と歯の間にものが挟まりやすい、舌や頬を噛んでしまいやすい、というような不具合が起こることがあり、そのようなことを患者さんが事前に理解していない場合、トラブルになることがあります。

インプラントの失敗は、歯科医院選び、患者さんの治療の協力などにより防ぐことができます。吉岡歯科医院では技術、経験、設備などあらゆる面で最高レベルのものを提供しています。ぜひ安心してご来院ください。

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