歯科コラム

インプラントが他の歯を補う治療法と一番違うのは、あごの骨という「生体」に埋め込んである点です。つまりインプラントは自分の体の一部になっているため、それだけデリケートであり、入れ歯やブリッジなどの治療法に比べて、外来からの様々な要因によってダメになってしまいやすいことを知っておく必要があります。ただし、過剰にビクビクすることはありません。どのようなことがインプラントをダメにしてしまうのか、ということをしっかりと覚えておき、そのようなことが起こらないように注意していけば、インプラントは何十年でも持たせられる治療でもあるのです。今回はインプラントを長持ちさせるために知っておきたい、インプラントをダメにしてしまう様々な原因について詳しくご紹介していきます。

インプラントをダメにしてしまう様々な原因

インプラントをダメにしてしまう様々な原因

インプラントがダメになってしまう原因として、インプラントが骨とくっつくまでの期間に何らかの問題が起こった場合と、インプラントが一旦くっついて機能し始めてから起こる問題があります。


インプラントが骨とくっつくまでの間に起こる問題

■骨の状態が良くなかった場合

骨がスカスカでやわらかいと、インプラントを骨に埋め込んだ際に安定性が得られない、つまり初期固定が得られにくくなります。そのような場合は十分に骨とインプラントがくっつくための期間を置かなければなりませんが、それを早まってしまうとインプラントがダメになってしまうことがあります。

■手術後に感染が起こった場合

インプラント手術後の感染予防がしっかりとできていないと、インプラント周囲に感染を起こし、インプラントと骨がくっつかない事態になってしまいます。インプラントの手術後は指示通り、洗口剤でうがいをし、抗生剤をしっかりと服用することが初期感染を防ぐことにつながります。

■インプラントと骨がくっつく前に過剰な力がかかった場合

インプラントと骨がくっつくまでは、インプラントに無理な力がからないようにしなければなりません。ところが、インプラントした場所を指や舌で押したり、そちら側でものを噛んだりしてしまうと、インプラントが骨とうまくくっつかなくなってしまいます。


インプラントが一旦くっついてからの問題

インプラントが一旦くっついてからの問題

■口の中の不衛生

歯磨きをおろそかにして口の中が不衛生な状態だと、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。これはインプラントも同じで、「インプラント周囲炎」というものにかかりやすくなります。インプラント周囲炎は天然の歯の歯周病と同じようなもので、悪化すればインプラント周囲の骨が溶けてインプラントが抜け落ちてしまいます。これを避けるためには毎日の念入りなお口のケアと、歯科医院での定期的なクリーニングが必要になります。

■周囲の歯の歯周病

インプラント周囲炎を引き起こすのは歯周病細菌です。お口の中に歯周病細菌が多いと、インプラントが感染を起こす危険性が高くなります。それゆえ、お口の中に歯周病にかかっている歯があると、それだけ細菌の数が多くなり、インプラント周囲炎にかかりやすいということになります。歯周病にかかっている歯はしっかりと治療しておくことで、インプラント周囲の感染を予防することができます。

■タバコ

タバコを吸っていると、血管が収縮して歯茎の血流が悪くなり、免疫力も低下し、唾液も減って歯周病のリスクが大きく高まります。タバコを吸っている人はそうでない人よりも5〜6倍歯周病にかかりやすいことがわかっています。これはインプラント周囲炎に関しても同じことが言えます。

■糖尿病

糖尿病になると、免疫力低下、口の渇きなどが起こり、お口の細菌が悪さをしやすくなるため、インプラント周囲に感染を起こしやすく、インプラントがダメになりやすくなります。

■咬合性外傷

咬合性外傷というのは、噛み合わせの力が歯に過剰にかかり、それがダメージとなってしまうことです。原因としては、歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの調整がきちんとなされていない、ということが挙げられます。咬合性外傷でインプラントをダメにしてしまわないためには、日中に歯を食いしばる癖がある人は意識してやめる、夜間に歯ぎしりをしている人は就寝時にマウスピースを必ずつける、定期的に歯科医院で噛み合わせをチェックし、必要なら調整してもらう、ということを実践していく必要があります。

■ドライマウス

ドライマウスというのは、唾液の分泌が十分に行われなかったり、口呼吸などが原因で口の中の唾液が乾いてしまうような状態です。唾液には口の中の細菌を洗い流す「自浄作用」、そして「殺菌作用」などがありますが、このような作用が十分に行われないことで、インプラント周囲に感染を起こしやすくなります。ドライマウスの原因としては、加齢、薬の副作用、ストレス、口呼吸、糖尿病などが挙げられます。ドライマウスに心当たりがある人は、きちんと対策を取る必要があるため、歯科医師に相談してみましょう。

インプラントをダメにしてしまう原因を知っているかいないかで、その後のインプラントを長持ちさせられるかどうかが決まってくると言っていいでしょう。是非参考にしてみてください。

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